ペルチェ素子を使ってみる

CPUの冷却や小型冷蔵庫、ワインセラー、カメラ、空気清浄機、小型扇風機などに使用されているペルチェ素子。どれほどの冷却能力があるのか?

  1. ペルチェ素子について
  2. 実験の目的
  3. 部品調達
  4. 実験準備
  5. 実験結果
 1.ペルチェ素子って何?
 ペルチェ素子は熱伝素子と呼ばれ、電圧をかけると冷却効果が生まれる電子部品である。

 趣味の工作でコンピュータのCPU等の冷却に使われる事が多いが、稼動部が無く騒音を発生させないのでワイン専用の冷蔵庫、自動販売機、空気清浄機のイオン発生器の一部、様々な場所で使われております。
フロンガスを使用しないので環境にもやさしい。
2.実験の目的
ペルチェ素子の使用方法や性能について調べる。
もし上手く使えそうなら今後の展開に向けた資料とする。
ペルチェ素子で冷蔵庫作り家庭用冷蔵庫は普通
<冷凍室:約-20℃>
食品の栄養・鮮度をしっかりキープする温度です。

<チルド室:約0℃〜2℃>
納豆やヨーグルトなど、発酵が進みやすい食品や凍らせたくない食品の保存に適しています。
食べ頃のメロンもチルドなら長持ちします。

<冷蔵室:約1〜2℃>
調理済み食品、冷蔵小物

<野菜室:約2〜5℃>
野菜や果物の鮮度を保つため、適度な湿度(約90〜95%)が得られます。
この事から小型冷蔵庫かグラス1個分冷やせる小型卓上クーラーを作る予定です。

 3.部品の調達
■事前調査
事前にある程度の調査を行い、そこで次のようなことが分かった。
ペルチェ素子 図  1)片面が冷却され片面が発熱するため、発熱側の熱をヒートシンク等で熱を逃がす必要が ある。
  2)発熱側の熱が冷却側にまわってしまうので発熱側の放熱をしっかりしないと効率が悪くなる。
  3)消費電力が大きいので電源もそれなりのものが必要。
  4)複数枚を重ねて使うと大きな冷却効果が期待できる。
ペルチェ素子
ペルチェ素子◆最大電流:6A
◆最大使用電圧:15.4V
◆最大吸熱量:53.3W 最大温度差:68℃
◆サイズ:40x40x3.82mm
◆抵抗:約1.98?
◆放熱が追い付かずペルチェ素子全体が150℃になると金属が溶けだし性能低下や断線します。
電源12Vインバータ 電源装置
◆COSEL製
◆入力電圧100V
◆最大電流:8.5A
◆出力電圧:12V
◆サイズ:180x930x37
ヒートシンク
ペルチェ素子用 大型ヒートシンクペルチェ素子の吸熱と発熱
ペルチェ素子は吸熱した熱を放熱側から吐き出します。つまり放熱側に放熱板(ヒートシンク)が必要です
少しでも熱が逃げたほうがいいからデッカイの用意してね

Qc(W):吸熱量
Vin(V):入力電圧
I  (A):入力電流
使用条件にもよりますが6A(Qc=57W)タイプなら最大発熱量で
Qh(W)=Qc+Vin×I
Qh=57(W)+12(V)×6(A)=129(W)となります
130Wクラスの放熱板を付けなければなりません。
ファン
ファンモーター 送風機◆PANAFLO
◆DC24V
◆0.18A
今回ペルチェ素子に合わせて12Vで稼働
回転数は落ちるが24Vより12Vの方が音が静かでとても良い
温度計
デジタル温度計測定範囲−50℃〜100℃
MAX/MINが付いています
データロガーなし
マイナス50度まで測れるらしい、たぶんこの実験では−50℃ここまで出ません(笑)
シリコン
シリコンメーカーパーツの水谷
商品名ヒートシンカー
放熱器、モールドタイプトランジスタ専用グリース
使用温度−30℃〜150℃まで
50g入り
ヒートシンクとペルチェ素子の間にはさんで熱伝導率を上げる

今回使いませんがシリコンラバー製の熱伝導ゴムシートもあります
無印テスター
デジタル テスター電圧や電流測定用
デジタルで細かく調べる事ができます
可変電源装置
DC可変電源装置スイッチングレギュレータ
◆入力電圧DC8〜40V
◆出力電圧可変範囲DC5〜24V
◆出力電流最大4A

5Vから15Vまでボリューム1つで調節できる優れもの
  4.実験準備
風冷ペルチェ素子回路図構成
 ペルチェ素子を密着
ペルチェ素子とヒートシンクを密着させる
ペルチェ素子の周囲には結露防止の為に発泡スチロールを挟んである。(これが結構効くんです)
 実験回路を作成
 主電源+12Vから可変電源でペルチェ素子に繋ぐ。
 ヒートシンクの24Vファンには主電源の12Vを使う。

5.実験結果
 今回ペルチェ素子2個並列に並べてテスト、12V可動と書いているが12Vでは排熱が間に合わないので11Vに落して実験しています
一番安定した状態で-5℃↓になりました、ちなみに業務用ドライヤーの強烈な冷風で冷やしてみましたが逆に温度が上がるだけでした(何で) 実験結果 −5℃
ヒートシンクの形状や大きさ、ファンの大きさやエアダクトの形状いろいろ試しましたが空冷はここまでで限界です、やはり液体冷却が性能が高く効率が良いと思いますので、これから液体冷却で本格的に試したいと思います。
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